1. 各資格の概要
衛生管理者
- 事業場に必ず配置が義務付けられる国家資格者（常時50人以上の事業場）。
- 事業場内で労働衛生を実務的に担う人。
- 会社に所属する社員が選任されることが多い。
労働衛生コンサルタント
- 厚生労働大臣登録の国家資格（労働安全衛生法に基づく）。
- 事業場に常勤配置されるのではなく、外部から専門的助言・指導を行う立場。
- 「労働衛生の専門コンサルタント」として活動。
産業医
- 医師免許を持ち、所定の研修を受けて選任された医師。
- 常時50人以上の労働者を使用する事業場では選任が義務。
- 医学的立場から労働者の健康を守る役割を担う。
2. 主な役割の違い
| 資格 | 主な役割 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 衛生管理者 | 作業環境・作業方法の管理、健康診断の実施管理、労働衛生教育など | 事業場内の実務担当者 |
| 労働衛生コンサルタント | 事業場の衛生管理体制を調査・診断し、改善指導を行う | 外部専門家・助言者 |
| 産業医 | 健康診断、過重労働面談、有害業務の医学的評価、職場巡視 | 医学的専門家 |
3. 活動のイメージ
- 衛生管理者：会社の社員として、日々の現場で安全衛生活動を「実際に管理・運用」する。
- 労働衛生コンサルタント：外部から指導する「先生」的な存在で、制度設計や高度なアドバイスを行う。
- 産業医：医師として、医学的観点から健康診断や面談を通じて労働者を守る。
4. 義務・資格の違い
| 項目 | 衛生管理者 | 労働衛生コンサルタント | 産業医 |
|---|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家試験（第一種・第二種） | 国家試験（労働安全衛生法による登録資格） | 医師免許＋産業医研修 |
| 選任義務 | あり（50人以上の事業場） | なし（ただし依頼すれば指導可能） | あり（50人以上の事業場） |
| 主体 | 事業場の社員が取得することが多い | 外部の専門家 | 医師 |
| 主な役割 | 日常的な衛生管理の実務 | 高度専門的な指導・助言 | 医学的健康管理・診断 |
5. まとめ
- 衛生管理者 → 事業場内部で日常的に衛生管理を実施する「実務担当者」
- 労働衛生コンサルタント → 外部から専門的な知識で「助言・指導」する「コンサルタント」
- 産業医 → 医学的観点から労働者の健康を守る「医師」
つまり、
- 衛生管理者 = 現場で管理をする人
- 労働衛生コンサルタント = 専門的に助言する外部アドバイザー
- 産業医 = 医学的判断を行う医師
