第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違い（概要）
- 第一種衛生管理者
- 全業種（製造業、建設業、化学工場、鉱業など）で有効。
- 特に有害物（粉じん、有機溶剤、騒音、放射線など）を扱う職場で必須。
- 出題範囲が広い。
- 第二種衛生管理者
- 有害物を取り扱わない業種（オフィス、商業、金融、サービス業など）でのみ有効。
- 出題範囲が比較的狭い。
試験概要（受験日・実施方法）
- 実施機関：安全衛生技術試験協会（全国7か所の安全衛生技術センター）
- 受験日：年中ほぼ毎週実施（申込後、空きがあれば自分で日程を予約可能）
- 受験料：6,800円（第一種・第二種とも同じ）
- 形式：四肢択一式（マークシート方式）
出題科目と試験時間
第一種
- 科目数：5科目
- 関係法令（労働安全衛生法など）
- 労働衛生（有害業務含む）
- 労働生理
- 労働衛生（一般衛生）
- 労働管理
- 試験時間：3時間30分
- 問題数：計60問
第二種
- 科目数：3科目
- 関係法令
- 労働衛生（一般衛生）
- 労働生理
（有害業務関連は出題されない）
- 試験時間：3時間
- 問題数：計44問
難易度（合格率・特徴）
- 第一種
- 合格率：約40％前後
- 出題範囲が広く、有害物関係（化学物質、粉じん、放射線、騒音、局所排気装置など）の理解が必要
- 理系出身者や化学系職場経験者にはやや有利
- 第二種
- 合格率：約50〜55％前後
- 出題範囲は狭いが、暗記量は多い
- 文系出身者でも比較的取りやすい
勉強方法（具体的な進め方）
1. 学習期間の目安
- 第一種：2〜3か月（100〜150時間程度）
- 第二種：1〜2か月（60〜80時間程度）
※ただしフルタイムで働きながらならもう少し余裕を見た方が安心です。
2. 学習教材
- 公式テキストは存在しない → 民間の参考書や問題集が主力
- 「第一種衛生管理者合格テキスト＆問題集」
- 「第二種衛生管理者過去問題集」
- 過去問は協会から直接は入手できないため、市販の過去問解説本を利用
3. 学習ステップ
第一種
- 関係法令を重点的に暗記（試験の3〜4割を占める）
- 労働安全衛生法、労基法関連条文
- 衛生管理者の選任義務人数（50人以上）、有害業務での第一種必須条件など
- 有害業務関連の理解
- 粉じん、有機溶剤、金属、放射線、局所排気装置の仕組み
- 化学物質ごとの規制値や管理方法
- 労働生理の暗記
- 呼吸、循環、神経、代謝などの基礎医学知識
- 問題演習を繰り返す
- 試験は過去問類似が多いため、過去問中心に反復
第二種
- 関係法令を暗記（第一種と共通部分）
- 一般衛生・労働生理に集中
- 人体の仕組み（血液循環、呼吸、消化、疲労回復など）
- 精神的健康管理（ストレス、メンタルヘルス）
- 過去問反復で合格ラインを確実に
4. 学習のコツ
- 過去問中心学習：出題傾向がほぼ固定
- 条文暗記は数字に注目：「○人以上で必要」「○ppmが基準」など数字問題は頻出
- 模試感覚で時間配分を練習：3時間超えの長丁場なので集中力維持がカギ
第一種と第二種の比較（まとめ）
| 項目 | 第一種衛生管理者 | 第二種衛生管理者 |
|---|---|---|
| 活躍範囲 | 全業種（有害業務含む） | 有害業務を除く業種のみ |
| 出題範囲 | 法令・一般衛生・労働生理・有害衛生・労働管理 | 法令・一般衛生・労働生理 |
| 試験時間 | 3時間30分 | 3時間 |
| 問題数 | 60問 | 44問 |
| 合格率 | 約40％ | 約50〜55％ |
| 勉強時間目安 | 100〜150時間 | 60〜80時間 |
| 難易度 | やや難しい | 比較的易しい |
