1. 肺の基本構造
- 気管 → 気管支 → 細気管支 → 肺胞 の順につながる。
- 肺胞は多数の毛細血管に取り囲まれており、ここで ガス交換(酸素と二酸化炭素の交換) が行われる。
- 成人の肺胞の数:約3~7億個。表面積は約70㎡(テニスコートの半分程度)。
2. 呼吸運動
- 吸気(息を吸う)
- 横隔膜が収縮し下がる → 胸腔が拡大 → 肺が膨らむ → 空気が流入する
- 呼気(息を吐く)
- 横隔膜が弛緩し上がる → 胸腔が縮小 → 肺がしぼむ → 空気が排出される
- 安静時呼吸:横隔膜が主役
- 激しい運動時呼吸:肋間筋や腹筋も動員
3. ガス交換と血液
- 肺胞のガス分圧
- 酸素(O₂)が血液中へ拡散
- 二酸化炭素(CO₂)が血液から肺胞へ拡散
- 血液の動き
- 肺動脈:右心室から出て、酸素の少ない血液を肺へ運ぶ
- 肺静脈:肺で酸素を取り込んだ血液を左心房に戻す
4. 呼吸量と労働
- 1回換気量:安静時で約500ml
- 1分間換気量:1回換気量 × 呼吸数(約12~15回/分 → 約6~8L/分)
- 最大換気量:運動時は 100L/分 以上に増加することもある
- 酸素摂取量の増大により、労働強度に対応できる
5. 試験で狙われやすい要点
- 肺循環の仕組み(肺動脈=静脈血、肺静脈=動脈血 という例外)
- 肺胞でのガス交換の原理(拡散による)
- 呼吸運動のメカニズム(横隔膜の働き)
- 安静時の換気量と運動時の換気量の違い
- 血液の酸素運搬(ヘモグロビンとの結合)

